PANZER FRONT / アレコレ

個人的【 ≒ オフィシャルブログ 】

フライトシミュレーションゲーム  /  Flight simulation video game

『PANZER FRONT / アレコレ』第7回目は、いくつかの古いフライトシムについての話。

 

PANZER FRONTを作る時、感覚的に目標としたゲームがありました、それはマッキントッシュの『Hellcats Over the Pacific』です。これは90年代に入る頃、かなり遊んでいたゲームで、とにかくF6Fの飛びっぷりがよく、なかなか浮遊感がありました。同じ頃にやっていた『CHUCK YEAGER'S AIR COMBAT』も楽しいゲームでしたが、ヘルキャットの方がゲームとしての気持ちよさでは上でした。

ヘルキャットのミッションは7つか8つと少なく、それでも1面の内容は濃く、いつまでも遊んでいられる不思議なゲームです。ある時は空母から、またある時はヘンダーソン飛行場から出撃し、敵は灰色のゼロですが、続編のレイテには緑色のフランクが出てきます。これがなかなか手強く面白かった。日本軍の施設や滑走路への爆撃、B17の護衛、艦船への雷撃などのミッションに、レイテには上陸支援に出撃して(僚機がF4U)、LSTから上陸した戦車(ただの箱ですが)が、内陸に向けて走って行くポリゴンが作られていたりと、なかなか細かく、それを降下して眺めるだけでも面白いものでした。このゲームの中には、環境としての戦場が備わっていたわけです。もう一度書きます、『このゲームには、環境としての戦場が備わっていました。』

その『ヘルキャット』を作ったのは、間違いがなければ、Eric ParkerとTrey Smith。Ericはその後に、Parsoft Interactiveで、『A-10 Attack!』、『A-10 Cuba!』を発売し、GRAPHC SIMULATIONSの方では、Trey Smithの下で『F/A-18 HORNET』を開発します。そして、このどちらのシリーズもヘルキャットと同じようにミッションの組み立てが面白く、3Dゲームの手本という感じでした。このA-10F/A-18には、ヘルキャットから引き継いだ細かな仕様を、それぞれに発見するのもおもしろいものでした。ほとんど名前を耳にしたことのないゲームデザイナー(なのか?)のお二人、今は何をしていらっしゃるのか。

それらゲームで90年代前半から長く遊んでいて、戦車でこういうゲームが無いものかと、ずっと思っていたわけです。

PANZER FRONTの制作途中、デバックしているスタッフからは、難しいとの意見をたくさん聞きましたが、どう成立しているのかを理解してもらえないと、ただただ難しく辛いゲームではありました。難易度はヘルキャットくらいにと決めていました。あまりにも難しいと言われるもので、ゲーム内の「そこで死んでくれ」と言っていたように記憶しています。プレイヤーは、PANZER FRONT内の無名の戦車兵として、道路脇か、あるいは砂漠の荒れ地に、何度でも仮埋葬されるわけです。ゲームの中だけなのは幸いなことです。

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A-10 ATTACK!』と『F/A-18 HORNET 2.0』、どちらも全ての面をクリアしたような。いや、ホーネットの最終面だけは無理だったかな。発売は両方ともに1995年。