PANZER FRONT / アレコレ

個人的【 ≒ オフィシャルブログ 】

音楽について

『PANZER FRONT / アレコレ』第15回目は、BGMについてのいろいろ。

ゲームに物語が付くとなるとBGMは必要になりますが、それ以前から入れたい音楽もあり、ドイツやソ連の曲など、持っていた物は当時はレコードでしたのでMDに録音してもらい、この曲をお願いしますと渡していました。ドイツの曲は、古いラジオから流れてくるようなノイズを入れてくださいとか、ロシア編には、ドクトル・ジバコのサントラを参考に渡したりと、音楽の担当者さんには、めんどうで細かい注文ばかりで申し訳なかったです。

企画が具体的に進み始めた頃は、3編の物語で作られる予定でしたので、アメリカ、ロシア、ドイツと、それぞれにBGMを用意することになっていました。残ったドイツ編のムービー部分には、それらは使われていると思います。手元に残っているファイルでみると、ドイツ編では5曲ほど用意されていたようです。

実際にある音楽について思い出すのは、『B型』での『 Panzer rollen in Afrika vor 』と『 Unser Rommel 』のこと。使用許可をもらうためにいろいろ調べてもらったのですが、国内では承諾をもらう場所が存在しないとのことで、そのまま許可をどこからも得られず使うことに。ロシアの『聖戦』でも同じだったのか、そちらはどうだったのかは忘れてしまいました。PAL版をイタリアで出す時にも、そちらでも調べてくださいと連絡はしましたが、なんの反応もありませんでした。音楽の著作権には疎いのですが、すでにそれらは切れているのでしょうか。

『B型』では、『ワルチング・マチルダ』を入れてもらうのをすっかり忘れていました。映画『砂漠の鼠』【The Desert Rats / 1953年】で、テンポの速い威勢の良い演奏で聴けます。

『B型』のクレジットで流れる曲は、メインテーマからアフリカ風な音楽に変わるようにお願いして、その参考にしてもらったのは武満徹の『未来への遺産』だったでしょうか。元々のオープニングの音楽については、当時、『映像の20世紀』が放送されていたので、同じような重々しい感じでお願いしたのでしょう。曲についてPANZER FRONTは、とても良かったと思っています。

ロシアの曲、『 聖戦 』の入っていたレコードですが、いつからか行方不明で、PAZER FRONTを作っていた頃にはもう手元にはなく、カセットテープにダビングしたものが残っていたので、それからMDに録音してもらった記憶があります。

そういえばデバックを始めた頃に、戦闘中に音楽が無いのが変ですとの意見が多くあり、発売されてからも耳にしたでしょうか。当時はパソコンのフライトシムにも音楽の付いたものがありましたが、PANZER FRONTには、盛り上げ用のBGMは不要と考えていました。逆に、ついている方がおかしいとも言えます。それでもストーリーモードでの戦闘には、BGMを付ける予定でした。

全体的にはむしろ、環境としての効果音の強化がしたかったのですが、かなりいけると思った『B型』も、データ量が多くなるためにどんどん削られていき、当初予定していた厚みのあるエンジン音や、大砲の砲弾別の音の違いなど、どんどん削られていきました。『B型』のティーガーでは、PzGr39とSpGrの射撃音を変えたような記憶があります。本物を聴くことはありませんが、初速が違うのである程度変化するのではないだろうかと思ったわけですが、実際にはどうなのでしょう。昔の総火演で聴いた74式の射撃音が金属的な破裂音というか、その音が印象にすごく残っていて、88もそんな方向の音ではなかったのかと、その音を思い出すのでした。あれは、ライフリングによるものなのでしょうか。90式はどうだったか。

なくした『聖戦』の入ったレコードですが、検索してみるとこのジャケットだったと思います。買ったのは、1985年あたりか。