PANZER FRONT / アレコレ

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兵士の見た花

『PANZER FRONT  /  アレコレ』第34回目は、制作されなかったストーリーモードのこと。

上の画像は、ストーリーモード、ロシア編のタイトル画面です。左右の三角形は、アメリカ編とドイツ編にセレクトするスイッチだったのでしょう。

ロシア編は、レニングラードが故郷の女戦車兵の物語でした。チフビン周辺の戦いから始まり、レニングラード包囲突破の作戦に外側から参加します。やがて冬が来てラドガ湖を渡り、今度は内側から架空戦車に乗って戦いに出て行くことになります。ロシア編は、クラスノーエ・セロの戦いを最後にイベント面に進み、レニングラードの解放までの物語で、終戦まで1年以上を残してエンデイングとなる予定でした。

下の画像は、DIDさんで用意されたムービー部分の絵コンテです。決定稿の日付には、1998年2月23日とあります。ムービー部分の制作は全てDIDさんにお任せでしたので、どう進んでいたのかはほとんど記憶にありません。内容のすり合わせの為、隔週くらいで伺っていた時期もありました。

最初のPANZER FRONTの発売のだいぶ前の段階か、物語を1つだけ、ドイツ編のみとすることが現実的ではということに。理由はいろいろありましたが、ゲーム側の都合としては、時間のかかる戦闘の組み立てに、ストーリーをつなげるほどの面数を用意できそうになかったことがあります。また、3編の物語のために2枚組になってしまうということもありました。『bis』ではコンストラクションモードが追加されたため、1枚には3編のムービーを入れる容量はなかったようです。もともとコンストラクションが予定には無かった物なので、仕方ありませんでした。今思っても、米ソ独の3編全部を用意するのは大変だったでしょう。とにかくいろいろなことからドイツ編のみとなり、他の編の作業された方々には、申し訳ありませんでした。

絵コンテは、今西隆志さんによるもので、表紙は出渕裕さんのデザインしたロシア編の主人公です。その後ろにあるのは山根公利さんがデザインした、物語に重要なユニコーンの紋章の入ったペンダントでした。3編ともにシナリオは大野木寛さんです。

米、ソ、独の、3編の物語の中では、ロシア編が一番好きでした。BGMも、映画『ドクトル・ジバコ』風でお願いしていました。ドリームキャストでは、その音の一部が残っているらしく、なぜか聴けたと思いました。その音は、ロシア編でのミッション失敗の音として実験で入れたものだったのか。記憶違いでなければ、ドリームキャスト版をCDプレーヤーに入れると聴けたような。CDプレーヤーに、ゲームのディスクは入れるなとのことではありますが。