『PANZER FRONT / アレコレ』第44回目は、照準器のレチクルについて。
『PANZER FRONT B型』では地形のデフォルメが2倍となったことで、それに合わせて照準器のレチクル仕様を考えなおさねばなりませんでした。画面に対して、どのような大きさに見えるのかを図を用意して確認します。それらは装備別に形状が違いますが、『A型』では国別でしたが、『B型』では車種別に変えることが可能となりました。
ゲーム画面の風景に対する画角、そのミル数などから、ゲームのデフォルメに合う見栄えを作っていきます。戦場が等倍ならば実際と同じにするだけなのでそれを目指しますが、デフォルメされたゲームなのでプレイしやすい大きさを探ります。
『B型』の初期設定では、4倍の『タイプA』の大きなレチクルでしたが、推奨は『タイプB』の2倍の方で、そちらが狙いやすいと思います。気の迷いで初期設定を『タイプA』としてしまいましたが、見え方のサイズを『A型』と同じにしてみようと考えたのですが、むしろそちらは必要なかったのかもしれません。倍率が高くなると視野が狭くなり敵を探すのに苦労しますが、これは実際にそうだと聞いたことがあります。照準器を覗いて1000メートル向こうで、画角内の左右何メートルが見えるかという話だったと思いますが、何かで読んだのか? 大戦後期となると可変倍率の物も出てきますが、それには対応していません。それぞれの照準器ですが、いろいろな本からの推測で作ってありますので、間違った解釈もあるでしょう。そのレチクルの表示ですが、PS2でも当時の解像度から考えると無理が出てきてしまい、思った以上にドットが見えてシャープさに欠けていました。しかし今のゲームなら、そんなことはないのではと。
『A型』では、照準器のカメラ視点は砲弾を発射するポイントと同じ点を使っていたと思いますが(確か双眼鏡視点も同じだった)、『B型』では車輌それぞれの実際の位置に装備してもらうことができました。【双眼鏡視点もB型では、キューポラ上に移ります】
これら仕様は、戦場のデフォルメがない等倍ならば混乱も少ないとは思いますが、4倍、あるいは2倍となると、考えておかなければならないことが複雑化していきます。以前に戦場の大きさについて書いた時に、どうしても3倍としたくなかったのは、このレチクル部分の混乱も怖かったからでした。
ひとつ面白いのは『A型』でのこと。戦車が傾くと照準器のレチクルが傾いていましたが、これは風景側を何かを理由に傾けられないことからでした。ドリームキャストではそれは解消されていて、レチクルの水平は画面上維持され風景が傾いていたと思います。これを指摘した人はほぼいなかったようなので、そんなに気にならなかったのかもしれません。今思えば車体の傾きは、ドリームキャスト版の照準器内では分かりませんでした。【書いていることが正しいのかどうかわからなくなってきましたが、今現在、ドリームキャスト版を確かめることができません】
下の図、四角で囲った部分は画面のフレームで、縦と横が昔のモニター比率です。左の図が確か2倍の【タイプB】で、右が等倍として実際にはどう見えるかの確認に描いたもの、こちらはゲームには入ってはいません。『B型』の初期設定は4倍の表示でしたが、それは左側の図のさらに2倍ということになり、それが『A型』に近い大きさとなります。これら図を見ると、当時のPS2の仕様で等倍を作るとすると、ドット数個で三角を描くことになってしまうかもしれません。それはもう目盛りには見えないでしょう。